演技と傾聴~未知の体験に挑む~

くれたけ心理相談室大阪支部 心理カウンセラーの宇野謙一です。

ご訪問いただき、ありがとうございます。

 

俳優って大変な仕事だなと思います。

自分磨きや日々の体力づくり、基礎トレーニングなどもそうですが、何より、人格・職業・生活その他、殆どが未経験だったり本来の自分とは違う人間になりきって表現するための努力は想像もつきません。

役柄によっては、本職について学ぶ、髪を切る、歯を抜く、断食などダイエットして体重を落とす、など心身ともに大きな負担がかかります。

 

演技と傾聴でやることは違いますが、未知の体験に挑むというところで俳優とカウンセラーには共通点があると思います。

ただ、大きく異なるところは、カウンセラーは、それぞれの職業や外見、立場を自ら体験できないこと。

本職に学ぶことや外見の変化はもちろん、カップルや夫婦の立場に立つために恋愛や結婚はできません(この点は俳優も同じですが)。

 

志村けんさんは、酔っぱらいの役を演じるのにも「いつ、どこで、どんな相手と、どんな酒を、どのくらいの量、何時間」飲んだのか、ということを常に想定されていたといいます。

カウンセラーのやることもこれに近い気がします。

クライエントの恋愛や結婚に関する話を、あたかも自分がその立場にあると想像力を働かせて聴く。そして、あくまで客観的な視点で見る。

他の出来事や立場についてもそうですが、この「想像力」が大きなカギだと実感しています。

 

未知の体験に挑むにあたって、

可能な限り、職業体験や外見の変化によって、その役になりきって演じるのが俳優。

可能な限り、想像力を働かせて、あたかもその立場にあるかのように聴くのがカウンセラー。

但し、俳優にもカウンセラーにも、その役や立場を表現したり理解したりするための客観的な視点が必要である。

そう言える気がします。

 

「再現力」と「表現力」が俳優の、「想像力」と「傾聴力」がカウンセラーの、それぞれの武器になるのですね。

「魅せる」と「聴く」の違いということなのでしょうか。

 

お楽しみ様でした。

未知の世界に「再現力」で挑む俳優。「想像力」で挑むカウンセラー。「魅せる」と「聴く」の大きな違いですね。

投稿者プロフィール

宇野謙一カウンセラー
宇野 謙一くれたけ心理相談室(大阪支部)心理カウンセラー
くれたけ心理相談室(大阪支部)は、大阪府大阪市・八尾市を拠点に心理カウンセリングを承っております。エリア外の皆様にも、Zoomや電話等によるカウンセリングにて対応させていただいております。

カウンセリングを通じて、「困っていた問題」 が 「新たな気づきや成長へのきっかけ」となることを心から願っています。

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