失敗の効能~反省のない怖さ~
くれたけ心理相談室大阪支部 心理カウンセラーの宇野謙一です。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
自分を振り返ってみると、「度々失敗し、その都度、学びや修正を経て、次に活かす」ということを延々繰り返しているのが分かります。
「失敗から学びを得て次に活かす」のは結構ですが、「失敗しなければ分からないのか?」「最初からうまくやれないのか?」という我ながら歯がゆい気持ちもあります。
人間を「失敗」という観点から考えると、およそ3つのタイプに分けられると思います。
①ほぼ失敗とは無縁な人(元々ある程度の人格なり能力なりが備わっている)。
②失敗から学びを得て次に活かす人(度々失敗しながら成長を続けている)。
③失敗しても何も感じず何も学ばない人(反省がない。そもそも失敗したという意識の有無すら不明)
皆さまにとって一番理想的なタイプはどれでしょうか?
③は論外として、①になりたい②のタイプの方が圧倒的に多いような気がします。
私は、それでいいと思います。
むしろ、この、「①になりたい②」が最も理想的な人間のタイプではないかと、自分がそのタイプであることを喜んですらいます。
「①になりたい②」のタイプの方は、自身がそうである限り、①になるために努力し、成長し続ける、と考えられるからです。
恐らく、人生の終盤に差し掛かった時、学びや経験など得ているものが多いのは①よりも②の方でしょう。
②、もしくは「①になりたい②」のタイプの方と、①・③のタイプの方との明確な違いとして、「反省する機会の数」が挙げられるのではないか、と私は考えています。
「失敗から学びを得て次に活かす」ためには「反省」が欠かせないからです。
「ほぼ失敗とは無縁な人」や「失敗しても何も感じず何も学ばない人」とでは「反省する機会」の数は比較にならないでしょう。
②、もしくは①になりたい②」のタイプの方は、失敗を糧に反省を経て成長を続けます。
③のタイプの方は、反省しないまま失敗の経験だけを積み重ね、失敗に対する耐性はある(何も感じていない可能性すらある)ものの、成長はしません。
それはそれでよろしくないかと思いますが、心配なのは①のタイプの方です。
「ほぼ失敗とは無縁」ということは、「反省する機会」がほぼない、ということでもあるのではないかと考えられ、もしも失敗したり、他者にミスを指摘された場合。そのことに対する耐性の低さが心配されます。
「ほぼ失敗とは無縁」であるが故に、「自分は間違っていない」という歪んだ思い込みから、失敗を失敗として認めない、それどころか、指摘されたことに逆ギレする、ということもあり得ます。
そうなると、耐性の高低以前の問題で、不毛な人間関係の悪化にもつながります。
これが、「反省のない怖さ」です。
②、もしくは「①になりたい②」のタイプの方には、もしかすると私同様、「失敗しなければ分からないのか?」「最初からうまくやれないのか?」という歯がゆい気持ちがあるかもしれません。
しかし、成長・伸びしろ、ということを考えると、失敗とは無縁であるが故に反省する機会とも無縁であるより、失敗することや反省することを知っているということは大きな強みであり、むしろ喜ぶべきことなのでは、という気がします。
武田信玄の名言「およそ戦というものは、五分をもって上とし、七分をもって下とす、五分は励みを生じ、七分は怠りが生じ、十分は驕りを生ず」
ここに、失敗の効能とは何か、②もしくは「①になりたい②」が理想である、この二つが解き明かされているのではないでしょうか。
お楽しみ様でした。

武田信玄の名言「およそ戦というものは、五分をもって上とし、七分をもって下とす、五分は励みを生じ、七分は怠りが生じ、十分は驕りを生ず」。故に、「ほぼ失敗とは無縁」であるより、「失敗から学びを得て次に活かす」方が、実は理想の生き方なのかもしれません。
投稿者プロフィール

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