人間幾面相~ライフロールを多面的に見る~

くれたけ心理相談室大阪支部 心理カウンセラーの宇野謙一です。

ご訪問いただき、ありがとうございます。

 

ある時は老人。ある時は若者。ある時は富豪。ある時は乞食。またある時は無頼漢。またまたある時は学者。そしてまたある時は女性。

これは、怪人二十面相です。

ある時は謎の運転手。ある時はアラブの大富豪。ある時はニヒルな渡り鳥。ある時は気障な若社長。ある時は真面目な医学生。ある時はしゃれた音楽家。

これは、ピンクレディーの第5弾シングル「ウォンテッド(指名手配)」の歌詞に登場する相手役です。

 

彼等は、変装や経歴詐称などによって、幾通りもの顔を使い分けますが、顔の使い分けについては、現実にこの世に存在する私達の方が断然上です。

変装や経歴詐称などをしなくても、見る人や対峙する相手によって誰の立ち位置も変わるからです。

誰もが。生まれた時から「ライフロール(人生において担う『役割』)」を持っているからです。

 

たとえば、私。

親から見れば長男。妹から見れば兄。妹の夫から見れば義兄。姪から見れば叔父。親類から見れば甥や従兄弟など。

家族・親類関係だけでもこれだけありますし、別れた妻から見れば元夫。元カノから見れば元カレ。でもあります。

更に、友人から見れば友人。上司から見れば部下。そして、クライエント様にとってはカウンセラー。

一体、一人でどれだけの顔を持っているのか、想像もつきません。

誰もが「人間幾面相」。

そう思います。

 

「ライフロール」は、主に、子供・学生・余暇人・市民・労働者・家庭人・配偶者・親、この8つの立場に分類されると言います。

人によっては、体験しない役割もあり、私自身、親という立場だけは生涯体験することはないでしょう。

 

「ライフロール」の厄介なところは、見る人や対峙する相手によって、立ち位置ばかりか見え方までも変わってしまうことです。

ある人から見れば「無二の親友」でも、別の人から見れば「恨み骨髄に徹する憎む(もしくは軽蔑する)べき敵」だったりすることです。

人を見る時に注意が必要なのは正にそこです。

 

カウンセリングで難しいのは、一般の心理カウンセリングの場合、クライエント様本人の感覚からでしか情報が得られないことで、たとえば、社内のトラブルでも、当事者二人や周囲の第三者から話を聴き取ると、相当の齟齬があることがありますし、一方の言い分だけで判断するのは危険だとも思います。

上司やカウンセラーが気を付けるべきは、自分から見てどうだとか、自分が知っている表面の情報のみによらず、あらゆる情報を総合的に判断する、ということ。

そうでなければ「人間幾面相」を正確には知り得ないと思います。

 

ライフロールを多面的に見る姿勢がないと、人間の二面性を見過ごし、自身が評価している人物を盲目的に信じ込み、周囲の訴えに耳を貸さない。不都合な真実から目を背ける。ということになりかねません。

人としても、カウンセラーとしても、その点には十分注意して、様々な方達と関わっていこうと思います。

 

お楽しみ様でした。

「ライフロール」の見方で気をつけるべきは、自分から見てどうだとか、自分が知っている表面の情報のみによらず、あらゆる情報を総合的に判断する、ということだと思います。

投稿者プロフィール

宇野謙一カウンセラー
宇野 謙一くれたけ心理相談室(大阪支部)心理カウンセラー
くれたけ心理相談室(大阪支部)は、大阪府大阪市・八尾市を拠点に心理カウンセリングを承っております。エリア外の皆様にも、Zoomや電話等によるカウンセリングにて対応させていただいております。

カウンセリングを通じて、「困っていた問題」 が 「新たな気づきや成長へのきっかけ」となることを心から願っています。

コメントはお気軽にどうぞ