気持ちは、前向き?後ろ向き?~生き方は自分向き~
くれたけ心理相談室大阪支部 心理カウンセラーの宇野謙一です。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
生き方・考え方というと、どうしても「前向き」や「ポジティブ」が一般的には好まれがちなようで、傲慢になるまいと厳しく自己評価し、「自信がない」「自分は立派な人間でない」と公言することは「ありえない」「自分にとって不利益な発言」と批判されたり、良く思われないようです。
見方を変えてみれば、そうしたことを臆することなく言えることは、「自分を厳しく見つめている」「他者や物事に対して真摯で誠実である」「嘘や飾り気がない」と大いに評価されていい。ネガティブな発言どころか、その発言は決して間違ってなどおらず、むしろ、傲慢な人間でいないために当然あるべき姿勢である。そうとも考えられるのではと思います。
「自信がない」と思うことは、誠意もって精一杯事にあたるとしている人間にとって当然の感情だという見方もあっていいでしょうし、私も、その辺りのことを以前書かせていただいています。
自信がないのはダメなこと?~3ないの法則~ | 宇野 謙一 公式サイト(くれたけ心理相談室 大阪支部)
また、傲慢になるまいと厳しく自己評価し、「自信がない」「自分は立派な人間でない」と公言することが自分にとって不利益かどうかは、本人の価値観が判断することで、むしろ、本人の厳しい自己評価以上に他者から評価を得ることの方が自分にとって不利益だと考える人もいるのではないかという気がします。
芸術家が自分の作品を「こんなものに金を出すな!」と厳しく評価するのもそういうことかもしれませんね。
私自身にも、特別養護老人ホームに入っている父の面倒を見ていることで親戚に「親孝行」と言われることをよく思わない気持ちがあります。
私の知り合いに、「前向き」や「ポジティブ」といった類の言葉や考え方を嫌い、「昔があるから今がある」と思うことすら、昔のひどい(あってはならない)体験をあって良かったと無理に美化する必要はない。あってはならない体験は、どこまでもあってはならない体験だ。と言い切る方がおられます。
なるほど。そういう考え方もあっていい。カウンセラーとして「前向き」や「ポジティブ」に捉われがちになっているのかもしれない。そう目を開かせられたような気がしました。
「昔があって今がある」のはあくまで結果論で、あってはならない体験は、どこまでもあってはならない体験。
そう言えるところもあるのかもしれませんね。
人は誰しも様々な体験から様々な思いを持ち、更には、生きるために何がしかの選択をするのですから、本来、それに前向きも後ろ向きもない。
周囲が、「ポジティブ」だと評価したり、「ネガティブ」だと良くないことや損なことのように言う必要もない。
他者に迷惑が掛からない、その人なりの必死の姿勢である限り、周囲の目にどう写ろうが、それは尊重されるべきものである。
一つの考え方として、そういうことも言えるかも。という気がします。
ポジティブ心理学の考え方として、精神疾患を治すことよりも通常の人生をより充実したものにする、と言われています。
それは、突き詰めて考えると、「ポジティブ」だ「ネガティブ」だと善し悪しを云々するより、人それぞれの必死の姿勢を尊重した上で、前や後ろということではなく、自分自身を向いて人生の充実を図る。ということではないだろうかと私には思えます。
生き方に「前向き」「後ろ向き」などない。あるのはただ「自分向き」のみ。
こう考えることで、もっと広い視点で人間の感情を捉えることはできないだろうか。
それを一つの課題として、疑問を持ち続け、学びを深めていきたいと思います。
単純に「ポジティブ」を尊び、「ネガティブ」を抑制するのではなく、全てを「自分向き」として認められるように。

「前向き」や「ポジティブ」が一般的には好まれ、傲慢になるまいと厳しく自己評価し、「自信がない」「自分は立派な人間でない」と公言することは「ありえない」「自分にとって不利益な発言」と批判されたり、良く思われないようですが、見方を変えてみれば、傲慢でないために当然あるべき姿勢であり、その発言が自分にとって不利益かどうかは、本人の価値観が判断することで、むしろ、本人の厳しい自己評価以上に他者からく評価を得ることの方が自分にとって不利益だと考える人もいる。とも考えられるのではと思います。「ポジティブ」だ「ネガティブ」だと善し悪しを云々するよりも、人それぞれの必死の姿勢を尊重し、生き方に「前向き」「後ろ向き」などない。あるのはただ「自分向き」のみ。こう考えることで、もっと広い視点で人間の感情を捉えることはできないだろうか。それを一つの課題として、学びを深めていきたいと思います。
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