行列のできる理由〜バンドワゴン効果〜
くれたけ心理相談室大阪支部 心理カウンセラーの宇野謙一です。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
先日、地下街で阪神百貨店の前を通りかかりますと、阪神タイガースのリーグ優勝記念で長蛇の列ができていましたので、ついフラフラと並んでしまい、優勝ロゴ箱入りのチョコレート2箱を買いました(同様の方が多数おられたようです)。
私自身は、こうしたことは初めてでしたが、行列を見かけると、係の人にそれが何か(何を目当ての行列か)を尋ねたり、自分も列に入っていく。そういう光景を目の当たりにすることはよくあります。
人が人を、行列が行列を呼ぶというか、それでなくても、ある選択を多数の人がすることで「では自分も」と更にその選択をする人が増える。
これは、「バンドワゴン効果」と呼ばれる現象(選挙運動の際、楽隊を乗せた車両【バンドワゴン】に支持者をどんどん乗せたことが由来とされる)だそうです。
選挙で誰に投票すればいいか分からない時、何となく、名が通っていたり優勢だと目される候補者に投票してしまうのもそういうことのようですね。
こうした「勝ち馬に乗る」とでもいいますか、「みんながするから自分もする」という人間心理(人と違うけとへの不安)が行列を作る土台となっていることは想像に難くないでしょう。
この「バンドワゴン効果」、阪神タイガース優勝記念セールのようにファンや地域の方の喜びの一環として、また、「流行を取り入れてみたい」「みんなが美味しいというものを自分も食べてみたい」などの陽性(敢えてこう表現します)の楽しみとして現れる分には大いに歓迎するのもいいのではないかと思うのですが、これが、選挙や仕事その他の人生の大切な局面で自分の意見もなく(探そうともせず)周囲に合わせるだけだったり、周囲に便乗するようにSNSや現実の世界でバッシングやイジメに走ったりという事態につながることも至るところで見受けられ、その点において「両刃の剣」のような気がします。
美味しいと評判の店に行列ができたり、様々な感動を共有したり、純粋に「みんながいいと思えるものを自分もいいと思える」という効果であってほしいですし、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」のようなルールやマナーに反したり人を傷つけたりすることにつながってほしくは絶対にないと思います。
たまたま行列を見かけて並んでしまったことから、今回は大変な勉強になりました。
お楽しみ様でした。

人がしていることを「では、自分も」と次々に参加者が増えるという「バンドワゴン効果」。「みんながするから自分もする」という人間心理は、人と違っていることへの不安として理解できますが、純粋に「みんながいいと思えるものを自分もいいと思える」という効果であってほしいですし、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」のようなルールやマナーに反したり人を傷つけたりすることには絶対につながってほしくないと思います。
投稿者プロフィール

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