一人一人ができること〜それぞれのサポート〜
くれたけ心理相談室大阪支部 心理カウンセラーの宇野謙一です。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
私達は、複雑に入り組んだ現代社会の中で生きています。
そして、誰もがその中で、様々な要因によるストレスを蓄積させているのではないかと思います。
メンタルヘルスマネジメントでは、そのストレスを緩和するのに有効な幾つかの支援(サポート)が挙げられています。
①道具的サポート(金銭や必要なものの貸与、直接の手助け)
②情報的サポート(問題解決に必要な情報や知識を提供する)
③情緒的サポート(励ましたり、愚痴を聴いたり、相談役になったりする)
④評価的サポート(行動の良し悪しや社会的に好ましいかどうかなど、適切に評価する)
文章にするとこういうことなのですが、その精神は、「困った時はお互い様」「困っている人を放っておけない」「世話好き」といった、性善説に基づく、その多寡に関わらず人間誰もが持ち合わせている優しさのようなものではないかという気がします。
具体的に何ができるのか?というところで上記4つのサポートが挙げられているのですが、これは、立場や状況によって、一人一人できることが違うものだと思うのです。
早い話が、職場で仕事のことで困っている後輩がいて、能力的にはサポート可能であったとしても、他に指導する立場の人(適任者)がいれば、自分が出しゃばる訳にはいかない。サポートしたくても立場上できないことがあると思います。私自身、過去にそうした経験もあります。その場合、サポートできなかった後輩から「あの人は何も助けてくれない(何もできない)」と理不尽な蔑みの目を向けられることもありますが、そういうところの間違いを指摘し、道理を説くのもサポートの一つだとは考えられないでしょうか。
金銭やものや時間があれば①の道具的サポート、情報や知識があれば②の情報的サポート、寄り添う心や傾聴力があれば③の情緒的サポート、正しい評価基準を持っていれば④の評価的サポートができると思うのですが、どれも立場や状況によって異なり、特に④については何をもって適切な評価とするのかが難しいところだと思います。
また、相手との関係性(家族・友人・親戚・同僚・上司など)で、能力の有無とは別に、何ができるかも違ってくるような気がします。相手によって、話し方や伝えるニュアンスを変えなければならない厳しさがあると思うのです。カウンセラーもそれは同じで、同じクライエント様に対して、家族や友人の立場として向き合うのとは違う姿勢が必要だと考えられるだけに、心ならずも、カウンセラーでなければこうも言えるのに、ともどかしさを感じることもあります。
いずれにせよ、様々なストレスで損なわれる心の健康の改善にこれらのサポートが有効であることは広く言われており、一人一人がそれぞれにできるサポートを精一杯提供し合えれば、個人的レベルではなく、全体的なレベルでのストレス要因の軽減につながるのではないか。そんな期待も個人的には抱いています。
一人をサポートするのは全体をサポートすること。
一人の向上は全体の向上につながること。
こういうことでしょうか。
お楽しみ様でした。

決して金銭やものだけでない、ストレスを緩和するのに有効なサポートの精神は、「困った時はお互い様」「困っている人を放っておけない」「世話好き」といった、人間誰もが持ち合わせている優しさのようなものではないかという気がします。一人一人がそれぞれにできるサポートを精一杯提供し合えれば、全体的なストレス要因の軽減につながるのではないかと思うのです。一人のサポートは全体のサポート。一人の向上は全体の向上。そういうことでしょうか。
投稿者プロフィール
- くれたけ心理相談室(大阪支部)心理カウンセラー
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くれたけ心理相談室(大阪支部)は、大阪府大阪市・八尾市を拠点に心理カウンセリングを承っております。エリア外の皆様にも、Zoomや電話等によるカウンセリングにて対応させていただいております。
カウンセリングを通じて、「困っていた問題」 が 「新たな気づきや成長へのきっかけ」となることを心から願っています。
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