自分の言葉に責任を持つ~嘘から出たまこと~ 

くれたけ心理相談室大阪支部 心理カウンセラーの宇野謙一です。
ご訪問いただき、ありがとうございます。

私は、あまりフランクに人と接する方ではなく、誰かと食事に行ったり飲みに行ったりすることは殆どありません。自分から誘うとなると尚更です。

自分から誰かを、しかも若い女性を食事に誘ったのは、これまでの人生で一度だけ。

職場の後輩女性と雑談の中で、「(仕事で大変な思いをしているあなたに)一度ご飯でもご馳走しないとね」と確かに言った覚えがあります。

正直言って、自分のこんな誘いに応じる女性がいるとは思っておらず、社交辞令のつもりでした。

なので、後から「お好み焼きに決めた」と言われた時は、「本気にしてたんだ…」と戸惑いました。

とは言え、「言ったからには守らないとな」という気持ちがありましたので、数日後、お昼に2人でお好み焼きを食べに行きました。

ランチデートなどという浮いた気持ちは微塵もなく、ただただ約束を果たすためだけの、正に、出任せや冗談にしゃべったことが本当になった「嘘から出たまこと」でした。

これも、「自分の言葉に責任を持つ(発言が他者に与える影響を考慮し、その結果に対して自覚と覚悟を持つこと)」という一つの事例と言えるでしょう。

自分の言葉に責任を持つことは、コミュニケーションの向上や信頼関係の構築、自己成長につながり、人間関係や社会生活において非常に重要だと言われます。

「自分の言葉に責任を持つ」とは、自分の果たすべきことを理解し、努力する態度。自分自身の意思表示と言えるでしょう。

どんな発言であっても、それが周囲にどう影響するかを考え、結果がどうあれ、後悔しない覚悟を持つでもあるとされているようです。

もし、あの時、「そんなこと言ったっけ?」などととぼけたり突っぱねたりしていたら、彼女の信頼だけでなく、自分に「嘘つき」のレッテルを貼ることで自己の尊厳をも失っていたでしょう。

自分の言動すべてに責任が伴い、他者の要求に応える姿勢はもちろん、社会のルールやモラルに反しない良識ある態度が求められるのが社会人。

自分の本心とかけ離れたことを言わないようにする。
発した言葉の影響を深く考える。
自分の行動の責任は自分でとるという意識を持つ。
これが、「自分の言葉に責任を持つ」ということではないでしょうか。

実際のところ、自分の言葉に100%責任を持てる人はなかなかいない気がします。
日頃、たくさんの方と接する中で、「この前と言ってることが違う」「そんなニュアンスではなかった筈」と感じることも多いです。

それだけに、有言実行によって築かれる信頼関係の大きさも実感しています。

あの時、2人でお好み焼きを食べた女性とは、その後、更に親しくなり、今でも忘れられない存在となっています。
そして、あの日、彼女が私のデスクに置いてくれたお礼のメモは、今も宝物として手元にあり、壁に貼ったコピーが間違いなく元気を与えてくれているのです。

お楽しみ様でした。

自分の本心とかけ離れたことを言わず、発言の影響を深く考え、自分の行動の責任は自分でとる。「自分の言葉に責任を持つ」というのはそういうことではないでしょうか。「嘘から出たまこと」であっても、有言実行によって築かれる信頼関係は大きいもの。たった一度だけのランチデートからそのことを実感しています。

投稿者プロフィール

宇野謙一カウンセラー
宇野 謙一くれたけ心理相談室(大阪支部)心理カウンセラー
くれたけ心理相談室(大阪支部)は、大阪府大阪市・八尾市を拠点に心理カウンセリングを承っております。エリア外の皆様にも、Zoomや電話等によるカウンセリングにて対応させていただいております。

カウンセリングを通じて、「困っていた問題」 が 「新たな気づきや成長へのきっかけ」となることを心から願っています。

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