怒りはどこを向く?〜一番つらいのは…〜
くれたけ心理相談室大阪支部 心理カウンセラーの宇野謙一です。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
人には様々な一面があります。
良い面、悪い面、事情やむを得ない或いは自分でもどうしようもないつらさ、不満や申し訳なさ、自己肯定感、自己嫌悪感etc…。
どれも本当の自分であり、そこに矛盾などは存在しない。
少なくとも、私はそう思います。
どこでもそうでしょうが、組織というものは、異なる様々な事情(背景〜家庭や健康のことなどの条件的な面も含めて〜)や価値観、正義、考え方などを持つ多数の人々によって形成されています。
そのため、時に本来の目的以上に人間関係の問題に向き合う必要が生じます。
特に、様々な事情による物理的・心情面での影響には大きなものがあると感じています。
その点で今の職場(障害者就労支援事業所)などでは、一般の組織以上に様々な背景や条件面での考察が必要ではないかと思うのです。
一例を上げてみますと…。
業務中の居眠りは、当然宜しくないことで、注意されて当然でしょう。これが、単に夜更かしなど自己都合と自己管理の甘さが原因で生じているのであれば、事情を考慮する余地はないと思います。
ところが、これが、健康上の問題が絡んでくると対応は簡単ではありません。
居眠りを注意すること自体は誰にでもできます。
しかし、体調に関わることは、服用している薬の影響など本人の心構えではどうにもならないこともあり、居眠りという「事実」だけを捉えて、対応する側の怒りや不満、本人への低評価につなげるだけ、というのは本当にあるべき見方ではないという気がします。
業務中に目の前で居眠りなどされたら腹立たしいのは当たり前で、勤務態度や他者への影響という点から考えれば、低評価にならざるを得ないことも理解できます。
しかし、これは恐らく、見守る周囲の私達以上に本人が一番つらい筈ではないでしょうか。
誰も業務中の居眠りなどしたくてするものではない。それがいけないことだとも良く分かっている。
でも、薬の影響やその時々の状況で体がどうにもならないこともある。
それを言い訳に事前に「寝るかもしれません」と予防線を張ったり自分を正当化するような心構えであったとしたら、その点には注意・指導が必要でしょうが、そうした状態であることを承知の上で、支援対象として迎え入れている側にも、ただ怒ったり問題児扱いするのではなく、そうした問題と向き合って本人と共に対策を考える。これが本当のあり方のように思えます。
もし、今、私の周りでこのようなことが実際に起こったとしたら、私は、本人よりも、きちんと対策を考えられずにいる自分に怒りの矛先を向けるでしょう。
つらいのは、迷惑をかける方もかけられる方も同じこと。
むしろ、迷惑をかけているという重荷の分、かける方がつらいだろうと考えると、充分な支援ができず、心ならずも迷惑をかけてしまう状況に本人を追い込んでしまっているとして、自分達に怒りが向くような気がするのです。
誰とどんな状況に陥っても、「相手もつらい」ことを忘れず、一方向だけに怒りを向けないこと。自分自身の責任の有無も振り返って考えること。
このことが大切だと心に刻み、日々人と向き合っていこうと思います。

人には様々な一面があります。どれも本当の自分であり、そこに矛盾などは存在しないと思います。誰とどんな状況に陥っても、「相手もつらい」ことを忘れず、一方向だけに怒りを向けないこと。自分自身の責任も振り返って考えること。このことが大切だと心に刻み、日々人と向き合っていこうと思います。
投稿者プロフィール
- くれたけ心理相談室(大阪支部)心理カウンセラー
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カウンセリングを通じて、「困っていた問題」 が 「新たな気づきや成長へのきっかけ」となることを心から願っています。
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