人類みな友達…と思いたい~広大な心で~
くれたけ心理相談室大阪支部 心理カウンセラーの宇野謙一です。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
子供の頃…。
毎日のようにテレビCMで「世界は一家。人類は兄弟」と聞かされていました。
「友達の友達は、みな友達だ。世界に広げよう友達の輪!」というバラエティ番組の1コーナーもありました。
いじめや暴力などの社会問題もあるにはありましたが、今より遥かにお互いを思い遣り、人と人との結びつきが強かったように思います。
今、カウンセラーや職業指導員をやっていて、昔とは違うな、難しいな、と思うのはそのことで、カウンセラーに「多重関係の禁止(クライエントの安全を守るため、複数の役割や関係を同時に持たないこと)」があるように、職業指導員においても、それどころか、利用者さん同士の間ですら、事業所内以外での関係性を持つことが禁じられることがあります。私の勤める事業所でも、金銭のやり取りはもとより、物品の授受や連絡先の交換に至るまで、指導員も利用者さんも一部の管理職を除いて全て禁止されています。
正直、不便ですし、人と人との関わりという点でマイナスになることも多い気がします。
早い話、利用者さんが体調不良などで今日は休みますというような時に、一般の職員とは連絡が取れないため、現場への周知が遅れますし、近況報告や仕事の連絡もできません。職員が倒れた時も同じことです。
「世界は一家。人類は兄弟」という言葉は、紛争の絶えない世界において、人々が国や文化、言葉の壁を越えて、互いを理解し、尊重し合い、家族のような温かく過ごすそうではないか、と思わせてくれるようです。
家族や友達は、お互いを理解する(相手の背景や考え方を知る)・一緒に楽しむ(共通の趣味や話題で盛り上がる)・支え合う(困ったときには助け合う)、といったことができる関係性の筈で、カウンセリングや就労支援であろうとなかろうと何処にでも求められるものだと思うのです。
1人の人間として考える時、正直、「多重関係の禁止」が本当にクライエントを守ることになるのか?という気にすらなることがあります。
就労支援においても、二言目には「友達じゃないから」「物品の授受は禁止」「連絡先の交換はダメ」です。
トラブル防止の観点から言えば有益かもしれませんが、実は、そのことで健全な人間関係の構築を阻害してしまうというデメリットも相当にあります。
人間同士が健全な関係性を育めば、友達や恋人になることもあるでしょうし、そのことで互いの切磋琢磨が益々高まるという相乗効果にもつながるのではないでしょうか。
同じ目的に向かう者同士、互いに支え合い、励まし合い、切磋琢磨する。
物品の授受や連絡先の交換でトラブルが生じるのは、やり方に問題があるからで、そこを是正するのも支援する側の役目であり、トラブルを避けるために全面禁止するのは正しい対処ではないような気がします。
誰もが「私たちは友達だ」と感じられたら、トラブルがトラブルでなくなり、争いも減るかもしれません。
「友達じゃないから」は、あまりにも人の道に外れていないでしょうか?
誰もが広大な心で「人類みな友達」と思いたい…。
切実にそう願っています。
お楽しみ様でした。

カウンセラーとしての「多重関係の禁止」や指導員としての「物品の授受や連絡先交換の禁止」には正直不便を感じています。トラブル防止のためとは言え、実は、そのことで健全な人間関係の構築を阻害してしまうというデメリットも相当にあります。誰もが「私たちは友達だ」と感じられたら、トラブルがトラブルでなくなり、争いも減るかもしれません。「友達じゃないから」は、あまりにも人の道に外れていないでしょうか?誰もが広大な心で「人類みな友達」と思いたい…。切実にそう願っています。
投稿者プロフィール
- くれたけ心理相談室(大阪支部)心理カウンセラー
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くれたけ心理相談室(大阪支部)は、大阪府大阪市・八尾市を拠点に心理カウンセリングを承っております。エリア外の皆様にも、Zoomや電話等によるカウンセリングにて対応させていただいております。
カウンセリングを通じて、「困っていた問題」 が 「新たな気づきや成長へのきっかけ」となることを心から願っています。
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