下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる~質より量~
くれたけ心理相談室大阪支部 心理カウンセラーの宇野謙一です。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
私は、字が上手な方ではありません。
子供の頃から、親にも「あんたの字は汚い」と言われ、強制的に書道教室に通わされていました。
にも関わらず、学校でも字をもっときれいに書くように注意され、連絡帳かプリントでそれが親にバレて、「何のために習字に行かせてやってるんだ!」と大激怒されたことを今でもよく覚えています(書道を習いたいと言った覚えはないのですが)。
親に強制的に通わされた割には、その書道教室には特に不平不満を言わずに毎週水曜日に通っていました。
決まったカリキュラムや学習時間がある訳ではなく、先生に出された手本の字を「帰ってよろしい(=OK)」と言われるまで、何枚でも書いて1枚ずつ見せに行く、という授業でした。
ある日のこと。
その日は、いつも以上に調子が出ず、なかなか先生の「帰ってよろしい」が出ませんでした。
何枚書いても、出すもの全て却下され、心は折れる寸前でした。
これ以上書けない(書いてもどうせダメだろう)と思い、「もう、これでもいいか」と、最初の段階で書いていながら自分でボツにしていて見せるつもりのなかった1枚を見せに行きました。
すると、予想に反して「帰ってよろしい」が出たのです。
何だか、キツネにつままれたような気持ちでした。
「最初からこれを見せておけばよかった」と勝手に自己判断でボツにしたことを後悔しました。
先生にしてみれば、時間がかかり過ぎたので妥協してくれたのかもしれませんが。
「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」とも言えそうなこのエピソード。
ブレーンストーミング(脳の嵐:新たなアイディアを生み出す方法の一つ)の4つの基本原則の一つ「質より量」に該当しそうです。
「質より量」とは、できるだけ、多くのアイディアを出せ。ということで、こんなことを言うと笑われはしないか、などと考えず、思いついた考えをどんどん言う「自由奔放」さもこのためには不可欠です。
あの時の私も、自分で勝手にボツだと決めつけず、作品の一つとして先生の判断を仰げば良かったのでしょう。
兎に角多くのアイディアを出すこと。
「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」と言えば聞こえは悪いかもしれませんが、それくらい多くのアイディアを出してこそ、初めて優れたアイディアも生まれるというものでしょう。
私は、過去に三回、自作の川柳が新聞の一面に掲載されていますが、ハガキ1枚に七首書き、七枚出して、漸く一首採用で、確率は四十九分の一です。
できるだけ多くのアイディアを出そう、とはそういうことに他ならず、そのためにも「自由奔放」さだけではなく、「批判をされず」に意見を出せる環境の構築が大切だと思います。
批判されず自由奔放に意見を言える環境で闊達に多くのアイディアを出せば思わぬ力が生まれます。
「三人寄れば文殊の知恵」とはこのことです。
人一人の力でできることなど知れていると思います。。
他者を批判せず、自由奔放に、質より量で多くのアイディアを出せる環境を作り、心合わせて事に当たる方がはるかに良いと誰もが思えれば、他者の心の健康を損なわせるような振る舞いもなくなっていくのではないでしょうか。
一人一人が、「質より量」で自由奔放にアイディアを出す。
他者を批判せず、是非を真剣に話し合う。
何より、書道教室での私のように、自分の作品(アイディア)を勝手にダメだと決めつけず、発表する。
そうした意識や環境作りは、アイディアを出すことだけではなく、メンタルヘルスにもつながっていくものだと思います。
お楽しみ様でした。

「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」と言えば聞こえは悪いかもしれませんが、それくらい多くのアイディアを出してこそ、初めて優れたアイディアも生まれるというものでしょう。
投稿者プロフィール

- くれたけ心理相談室(大阪支部)心理カウンセラー
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カウンセリングを通じて、「困っていた問題」 が 「新たな気づきや成長へのきっかけ」となることを心から願っています。
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