自由奔放~履き違えには御用心~
くれたけ心理相談室大阪支部 心理カウンセラーの宇野謙一です。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
「自由奔放」に発言できる、アイディアが出せる環境。
こんなことを言うと笑われはしないか、などという心配もなく、思いついた考えをどんどん言える。「上品なら」ジョークも歓迎される。
ただの一人呑みを「大阪支部たった一人のランチ会」などと都合よく言い換える私にはピッタリです、というのは手前味噌な屁理屈でしょうが、実際に、「自由奔放」は、ブレーンストーミング(脳の嵐:新たなアイディアを生み出す方法の一つ)の4つの基本原則の一つに挙げられています。
4年前に、私が心理カウンセラー養成学校で行った体験授業でも、「しくじり先生」としてギャグやジョークを交えて「自由奔放」に授業を進めさせていただき、概ね好評でした。
意見を求められる場でありがちなのが、「こんなことを言ったら笑われはしないか、などと考えると縮こまって、思いついた考えを何も言えなくなってしまう」こと。
結果、討論は盛り上がらないまま終わり、何故か、終わってから、実はあの時はああ思ったこう感じたと、後出しじゃんけんの如く続々と出てくることすらあるようです。
私は、それくらいなら初めから好きなように話せばいいと思いますし、そこに「上品な」ジョークの一つも盛り込めば、大いに討論は盛り上がり、奇想天外なれども正確無比な意見が出るかも知れないとも思っています。
普段とは違う一面を見せることで周囲の評価が上がれば言うことはないでしょう。
固く構えずに「自由奔放」でいる時ほど、当然、発想は柔軟である筈で、アイディアは、頭が柔らかいうちに(頭を柔らかくして)出すのに限る。
私は、そう思っています。
但し、何でも「自由奔放」で済まされる訳ではありません。
人の目を気にせず、ありのままに意見を言える、振る舞える。言い換えれば、「自分軸で生きる」ことは、自信と自己肯定感の向上につながり、自分の意見を自分自身が尊重できるようになるという点では確かにいいことでしょう。
但し、それは、他人の尊厳を踏みにじってまで貫いていいことではないと思います。
自分の発言や行動が他者に与える影響や責任を考えず、自分の一方的な思い込みや価値観で他者の尊厳を踏み躙り、傷つけることは決して許されません。
残念ながら、そうした「自由奔放」であること、「自分軸で生きる」ことの意味の履き違えは数多く存在しますし、私自身、それで何度も傷つけられてきました。
本当に「自由奔放」に「自分軸で生きる」ことを望むのなら、自身の個性や柔軟な発想と共に、他者を尊重し協力し合える協調性も必要かと。
他者を尊重しない(敬意を払わない)自己主張は、無礼な独りよがりと思われても仕方がないでしょう。
信念を貫くことと他者を尊重しないことは違うと思います。
「自由奔放」であることと「自分軸で生きる」ことの意味を履き違えることなく、知識の多さではなく、それを人間性と結び付けて社会に役立てる真の「知性」を持ちたいものです。
私自身、知識やボキャブラリーの乏しさを憂うる前に、そこに向かって精進を続けようと思います。
お楽しみ様でした。

信念を貫くことと他者を尊重しないことは違うと思います。「自由奔放」に「自分軸で生きる」ことを望むのなら、自身の個性や柔軟な発想と共に、他者を尊重し協力し合える協調性も必要ではないでしょうか。
投稿者プロフィール

- くれたけ心理相談室(大阪支部)心理カウンセラー
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カウンセリングを通じて、「困っていた問題」 が 「新たな気づきや成長へのきっかけ」となることを心から願っています。
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