もったいつけずに~遠慮は無用~
くれたけ心理相談室大阪支部 心理カウンセラーの宇野謙一です。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
「遠慮」って、何のためにするのでしょうか?
●人に対して、言葉や行動を慎み控えること。「遠慮なくいただきます」「年長者への遠慮がある」「この部屋ではタバコは遠慮してください」
⇒ありがたく頂戴する。年長者に気を遣う。禁煙スペースでは喫煙しない。 etc
●辞退すること。また、ある場所から引き下がること。「せっかくですが出席を遠慮します」「君は遠慮してくれ」
⇒出席・出場を取りやめる。場を外す etc
●遠い将来のことを思慮に入れて、考えをめぐらすこと。
⇒上の二つは、様々な事情があることなので分かるとして、これについては、解釈が難しそうですね。
憎からず思っている女性がいて、相手の好意も内外での意味深な言動で伝わってきているのに、何故もう一歩踏み出せないのか?
食べたいものがあって、それを食べられるだけの稼ぎやお金があるのに、何故食べようとしないのか?
ネットで、探し求めていた理想の腕時計を見つけて、クリック一つで買えるのに、何をグズグズしているのか?
野球観戦だのコンサートだのを、何故、結果を出せた時のご褒美として扱い、結果が出なければ、行きたいのに行かないのか?
全部、無駄に「遠い将来のことを思慮に入れて、考えをめぐらす」からだと最近思うようになってきました。
その女性と付き合って、うまくいくのか?先々、相手を苦しめたり不幸にしたりするようなことはないか?
本当にそれだけの余裕のある経済状態か?今、食べたいものやほしいものにお金を使って、後々困らないか?
「明日のことを言えば鬼が笑う」ですね。
野球観戦やコンサートに行きたいというような浮ついた気分で、結果が出せるのか?
「うまくいかなかった場合に備えての自己擁護」でしょう。
全てにおいて言えるのが、要するに、「決断力不足」ということです。
言動を慎むのも、立場を弁えたかのように引き下がるのも、「決断力不足」で、言いたいことが言えない、参加に踏み切れない、という事情によるものもある筈です。
「遠慮」という美徳は、そんな時に「決断力不足」という自分の欠点を帳消しにしてくれる都合のいい姿勢です。
但し、本来の思いに従っていないことで欲求不満やストレスを抱えかねない諸刃の剣でもあります。
人として、カウンセラーとして、これまで、この「決断力不足」による「遠慮」が根本にある方を多く見てきたような気がしています。
自分自身にもそういうところがあるので、何となく感じ取ってしまうのでしょうね。
カウンセラーとして、そういったクライエント様と向き合う前に、まず、自分自身が「遠慮」という呪縛から解き放たれ、もったいつけずに自分軸で生きることを心がけようと思います。
勿論、「自分軸で生きる」には、「他者の尊厳を踏みにじらない」ことが大前提ですが。
お楽しみ様でした。

【遠慮無用】無駄に遠い将来のことを思慮に入れて考えをめぐらす「遠慮」という美徳は、「決断力不足」という自分の欠点を帳消しにしてくれる都合のいい姿勢でしかないような気がします。
投稿者プロフィール

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カウンセリングを通じて、「困っていた問題」 が 「新たな気づきや成長へのきっかけ」となることを心から願っています。
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