請求書より領収書~求めずに感謝の生き方~
くれたけ心理相談室大阪支部 心理カウンセラーの宇野謙一です。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
自宅近くのお寺に「請求書の生き方より領収書の生き方」という張り紙がされているのを以前見かけたことがあります。
請求書は、何らかの求めを相手に通知する文書。領収書は、支払者に対して金銭を受け取ったことを証明する書類。
「請求書の生き方」とは、文字通り請求、求め欲して生きることだと明快に分かります。
では、「領収書の生き方」とは如何なるものなのでしょうか?
「領収書の生き方」。
私は、これを当初、受容・受け止めの姿勢だろうかと考えたのですが、これはどうも深読みし過ぎだったようです。
領収書(レシート)は、品物その他のサービス提供に対して金銭を受け取った場合に発行する「受取金額の証明」ですが、他に、「お買い上げ・ご利用ありがとうございます」という感謝の意味も含まれています。
簡単に言えば、「求めようとせず、感謝して生きよ」ということなのでしょうか。
人間が成長や発展を望むのは当然でしょうし、欲求を持つこと自体は決して悪いことではないと思います。
実際、そのことによって人類はこれまで様々な文明を築いてきたと言えるのではないでしょうか。
しかし、人間の欲には限りがありません。飲めば飲むほど喉が渇き、水を飲み続けているうちには、胃袋も苦しくなるし腹を壊すこともあるでしょう。
今、人類がしていることはそういうことではないかという気がします。
どうやら人類は、欲求の度が過ぎるあまり文明を発展させ過ぎて様々な弊害を生み出してしまっているのではないか。
私には、そう思えてなりません。
「北の国から」で、風力発電で自宅に電気を通そうとして、知り合いの業者に工事を頼んでやるという亡き父の友人の申し出を断った黒板五郎が怒られる場面がありました。
先人達の努力や「子孫の代に同じ思いをさせたくない」という気持ちで今があるのに。それを…。昔は懐かしがるだけのものではなく、二度としたくない昔もある。という訳です。
これは、逆の意味で「(無理に苦労を)求めようとせず、(今の豊かさに)感謝して生きよ」ということなのかもしれません。
確かに、「二度としてはならない、したくない昔」もあるだろうとは思いますが、その反面、「忘れてはならない、受け継がねばならない昔」もきっとある筈だ。とも考えられる気がします。
一つの考え方として、思い通りにならないことがあっても潔く受け入れ、自身の創意工夫で乗り越える。今の便利さを当然だと思わず、「求めようとせず、感謝して生きる」ことが必要且つ大切ではないかと思います。
今まで目の当たりにしてきたコミュニケーションでも、求めるばかりで感謝のないケースでうまくいっているケースはなかったように感じています。
求め欲して生きる「請求書の生き方」を与えられているものに感謝する「領収書の生き方」に変えていく姿勢。
「無いものを悔やむのではなく、有るものを有難く考える(「『6つの気づき』の内的行動③)」が今後必要となるのではと思います。
お楽しみ様でした。

「請求書の生き方より領収書の生き方」とは、「求めようとせず、感謝して生きよ」ということなのでしょうか。求めるばかりで感謝がなければ、コミュニケーションも容易ではない気がします。無いものを悔やむのではなく、有るものを有難く考える姿勢が大切なのかもしれません。
投稿者プロフィール

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