小さな自己実現〜それぞれのやり方で〜

くれたけ心理相談室大阪支部 心理カウンセラーの宇野謙一です。

ご訪問いただき、ありがとうございます。

 

私はペーパードライバーですが、そうでなければ、買って乗り回したい車がこれです。

スーパーのおもちゃ菓子売り場でたまたま見かけて、本物に縁がない代わりにミニチュアを身近に置いておくのもいいかもなと迷わずカゴに入れていました。

これで、この車を巡る我慢と欲求のバランスがやや程良くなったかなと思っています。

 

人には様々な欲求(「~したい」「~したくない」「~は嫌」「~が好き」など)があります。

人には必要な我慢(「~すべき」「~しなければならない」「~してはならない」など)があります。

このバランスが取れていてこそ、ルールを守って抑制しつつ欲求を健全に充足させられる「健常な状態」だと言えるのでしょう。

 

今回のことで言うと…。

①この車を買って乗り回したい。でも、ペーパードライバーだから、教習に通ったりして安全運転できるようになることが今後あれば考えよう(しばらく我慢する)。

②この車を買って乗り回したい。だが、ペーパードライバーだから、せめてミニチュアを身近に置いて、心理的リアクタンス(制限されるほど執着してしまう)を軽減させよう。(現実が許す範囲内で欲求を満たす)。

こんなところでしょうか。

 

人には、「実現傾向(自分の持っている潜在的な能力や自分らしさを発揮していこうとする傾向)」というものがあり、「健常な状態」の中で成長する力によって自己実現に至った状態で「十分に機能する人間」とされると言います。

私は自己の運動能力を認識した上で、「運転には不向き」「事故を起こすまい」との判断により、生活の面でも仕事の面でも、車の運転によらない自己実現に運転免許取得以来取り組み続けています。

とは言え、車を運転できる人へのリスペクトや、「活動の幅が広がる」などの理由で完全には捨てきれていない運転への欲求もあります。

もちろん、「事故を起こさない(誰をも傷つけない)」ことが最優先ですので、その欲求は、「しばらく我慢する」ではなく、「現実が許す範囲内で満たす」しかありません。

それが、私にとっては、「ミニチュアを身近に置いて心理的リアクタンスを軽減させる」でした。

他愛ない子供じみたことのように見えるかもしれませんが、私にとっては小さな自己実現です。

 

昔、おもちゃの「仮面ライダー変身ベルト」を腰に巻き、ヘッドホンステレオで音楽を聴きつつ深夜の繁華街を闊歩する若者を見かけて、度肝を抜かれたことがありました。

その出で立ちは、単なるファッションか?仮面ライダーへの憧れか?

聴いている音楽は、「仮面ライダー」の楽曲なのか?

一瞬のすれ違いざまに様々な疑問が頭を過ったことを覚えています。

 

今から思うと、これもその若者なりの「実現傾向」だったのかなという気がします。

●仮面ライダーのようになりたい。でも、無理(非現実的)だから、せめて、おもちゃの変身ベルトを腰に巻き、楽曲を聴いて、気分を出す(世界観に浸る)ことにしよう。(現実が許す範囲内で欲求を満たす)。

子供の「ごっこ遊び」の延長のようなものかもしれないですね。つまり、「ごっこ遊び」も「実現傾向」の一つでしょうか。

 

代わりのもので(不十分ながらも)満足を得る。憧れの対象を模倣する。可能な限り理想に近づく努力をする。etc

人それぞれ、様々なやり方で(意識の有無に関わらず)自己実現を目指しているのではないでしょうか。

今回の自身の小さな自己実現で、そう強く感じるようになりました。

 

どんな他愛ない行動からも、傍目にはつまらなく見えるかもしれないことからも、自己実現はできる。

スーパーでたまたま見かけたおもちゃ菓子に改めてそれを教えられました。

これだから、人は面白く、学びはやめられないのだと思います。

 

お楽しみ様でした。

車を運転しない代わりに、乗り回したい車のミニチュアを身近に置く。仮面ライダーになれない代わりに、おもちゃの変身ベルトを腰に巻き、楽曲を聴いて、気分を出す。こうした傍目にはつまらなく見えるかもしれない他愛ない行動からも、自己実現はできる。これだから、人は面白く、学びはやめられないのだと思います。

投稿者プロフィール

宇野謙一カウンセラー
宇野 謙一くれたけ心理相談室(大阪支部)心理カウンセラー
くれたけ心理相談室(大阪支部)は、大阪府大阪市・八尾市を拠点に心理カウンセリングを承っております。エリア外の皆様にも、Zoomや電話等によるカウンセリングにて対応させていただいております。

カウンセリングを通じて、「困っていた問題」 が 「新たな気づきや成長へのきっかけ」となることを心から願っています。

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