自分の元気は誰かの元気~まずは自分の整備から~
くれたけ心理相談室大阪支部 心理カウンセラーの宇野謙一です。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
人は相身互い。
助けられたり助けたりで生きていると思います。
そして、人を助けるのは、時に自分のこと以上に疲弊することでしょう。
自身の複雑な気持ちが絡めば尚更ではないでしょうか。
職場では、様々な理由で誰かをカバーする必要が度々生じますよね。
自分の仕事もあるのに、例え誰かとの分担であったとしても、そこに他の仕事が加わるのは相当な負担の筈。
私にも覚えがあります。
病気療養のため長期入院を余儀なくされた後輩社員の代わりに、かなりの量の事務作業が発生しました。
ただでさえ、自身が事務に加えて別の業務で事務所と作業場の往復で席の温まる暇もなかった時にです。
幸い、当時は若く今以上に仕事人間だったため、業務過多も連日の深夜残業や泊まり込みも苦になりませんでしたが。
この時は、身体的な問題ではなく、件の後輩社員が日頃から陰どころか堂々と表立って自分を馬鹿にしていた女性だという気持ちの上での引っかかりが正直ありました。
そういう意味では、自分自身が決して健全だとは言い切れない状態で人をフォローしていたことになりますね。
こうしたことからか、あくまで一つの考え方としてですが、多少気になっているのが、妊娠・出産・育児に伴って発生する当該社員のフォローを心から「社員同士の助け合い」として快く引き受けられる同僚が男女を問わずどれくらいいるかということですね。
もちろん、既にそうしたフォローを受けている方であれば「今度は私が助ける番」と抵抗なく入り込めるかも知れませんが、人間の率直な感情として、そういう立場にない人や、他人がそういう立場にあることに複雑な思いのある人、こうした方達にとっては、簡単には受け入れ難いことかもしれない。そんな気がします。
「自分が得られない幸せを享受している者のために、なぜ、自分が大変な思いをしなければならないのか」
そういう複雑な気持ちを抱えている人も少なからずいる筈。職場には、そういう方達へのフォローもないと、不公平かもしれない。そんな気がします。
自分が健全な(言い換えれば、ここでは、納得のいく幸せな)状態でないのに、誰かをフォローすることは簡単なことではないでしょう。
自分が元気であってこそ、誰かをフォローするエネルギーも生み出せる。まず、自分が元気でいることが誰かの元気につながる。
私は、そう思っています。
セルフ・カウンセリング(自分の思いこみから自由になって自分と他者とを再発見する「一人でできるカウンセリング」。日常生活の一場面を取り上げて、自分の「思い(心のセリフ)」「言葉」「行動」を記述し、その記述に基き、「感情」や「欲求」を洞察するし、どんな欲求からどんな感情や行動が生まれるかを自己理解してゆく。自分が直面するあらゆる問題を自分の力で解決に導ける方法)の勉強会では。助け合いの精神を前提としながらも、比較的現実的な意見が出ることがあります。
例えば、高齢で体力的な問題もあって一人での買い物が苦しい時がある方について、近所付き合いのある立場としてフォローを考える気持ちはあっても、迂闊に手伝いを申し出て自身に負担がかかり過ぎないか、或いは、度々善意に甘えられても困る、社会資源の利用などの情報提供に重きを置くべし。という現実に沿った考え方が出てくるのです。
これは、話し合った中では、「フォローを考えることは大前提であるが、全面的な奉仕ではなく、どこまで積極性をもって行うか、具体的にどのような形で行うかは、検討の余地がある」。要するに、「人を元気にする前に、まずは自分が元気でいること。それがひいては人をフォローしたり元気にすることにつながる」と結論付けられています。
カウンセラーも、クライエント様のことをどうこう言う前に、自分自身のコンディションが良好である必要があるでしょう。
心身が疲弊しているカウンセラーの言うことに説得力はないでしょうし、聞く気にもならない筈ですよね。
誰が誰のために何をするとしても、その前に自分自身の整備を万全にしておかなければならない。
一つの考え方として、そういうことが言えると思います。
お楽しみ様でした。

人は、助けられたり助けたりで生きていると思います。そして、人を助けるのは、時に自分のこと以上に疲弊することでしょう。自分が健全な状態でないのに、誰かをフォローすることは簡単なことではない。自分が元気であってこそ、誰かをフォローするエネルギーも生み出せる。まず、自分が元気でいることが誰かの元気につながる。誰が誰のために何をするとしても、その前に自分自身の整備を万全にしておかなければならない。私は、そう思っています。
投稿者プロフィール

- くれたけ心理相談室(大阪支部)心理カウンセラー
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カウンセリングを通じて、「困っていた問題」 が 「新たな気づきや成長へのきっかけ」となることを心から願っています。
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