一房のみかんに詰まる陽と陰〜親の尊い教え〜
くれたけ心理相談室大阪支部 心理カウンセラーの宇野謙一です。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
週に一度、特養老人ホームに入居している父に面会に行っています。
最近は、食欲が落ち着いたのか落ちたのか、以前のようにおやつを食べたがらなくなっている父ですが、みかんなどの果物は昔から好きで、時折、差し入れしています。
今日は、途中、ホーム近所の青果店に立ち寄り、今年初めてみかんを買って持っていきました。
父に勧めると「食べる」と言いましたので、皮をむいて私も相伴しました。
そして、食べ進むうちに、私はあることに気づきました。
同じ一房のみかんの中に、場所によって、酸い・甘いの違い、陽と陰とがあることを。
父に話しますと、「日当たりの違いちゃうか」と事もなげに答えが返ってきました。
長年、園芸を趣味とし、たくさんの植物を育ててきたからこそ分かることなのでしょう。
同じ一房のみかんの中にも、日の当たり方によって酸い・甘いの違いが出る。
父の言葉を聴いたその瞬間、このことを人間社会に置き換えて考えている自分がいました。
同じ教室で同じことを学んだり、同じ組織で同じ指導者から同じことを教わっても、日の当たり方、即ち、気持ちの向けられ方や評価の受け方で構築される関係性や育成される力に開きが出てしまう。
人間世界のことをこの時食べたみかんに置き換え、私はすぐそのことに思い至りました。
何故なら、今の仕事(障害者就労支援員事業所指導員)の中で、そのことを嫌というほど痛感しているからです。
人それぞれに様々な事情や自分ではどうしようもないつらさを抱えています。就労支援事業所を利用される方なら尚更でしょう。
同時に、組織には組織の理論、事情があります。
双方のバランスが取れず、組織としての「正論」が、その規範に合わない人への「無理解」となった時、同じ一房のみかんの中に「日当たりが悪かった酸い一口」ができてしまう。
幸い、今の自分は、日当たりの悪い箇所に別の光を当てられる立ち位置におり、酸い一口を甘く変えることもできそうです。
それに気づかせてくれた父の言葉には感服しました。
やはり、親の教えは尊いものだと、父に頭を下げた還暦も近い息子なのでした。
お楽しみ様でした。

同じ一房のみかんの中にも、日の当たり方によって酸い・甘いの違いが出る。父の言葉を聴いたその瞬間、このことを人間社会に置き換えて考えている自分がいました。人それぞれに様々な事情や自分ではどうしようもないつらさがあり、同時に、組織には組織の理論、事情があります。組織としての「正論」が、その規範に合わない人への「無理解」となった時、同じ一房のみかんの中に「日当たりが悪かった酸い一口」ができてしまう。幸い、今の自分は、日当たりの悪い箇所に別の光を当てられる立ち位置におり、酸い一口を甘く変えることもできそうです。それに気づかせてくれた父の言葉には感服しました。やはり、親の教えは尊いものですね。
投稿者プロフィール
- くれたけ心理相談室(大阪支部)心理カウンセラー
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