厳しい言葉に耐えられない心理~自身の甘えと向き合う~
くれたけ心理相談室大阪支部 心理カウンセラーの宇野謙一です。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
家庭や職場で家族や同僚にキツい言葉をかけてしまうことはないでしょうか?
虫の居所が悪かったり、いくつもある中の1つにすぎない自身にとっての正論に基づいて相手の言動を腹立たしく思ったり、様々な理由で、論理的にではなく感情的にそうなってしまうことは決して珍しくないと思います。
ここで問題なのは、自らが正しいと思い込んで論理的に道理を説いているつもりで実は一方的な自論を感情的にぶつけているだけ、というケースが散見されることです。
俗に言うロジカルハラスメント(ロジハラ:正論を振りかざして相手を論理的に追い詰めてしまう言動)ですね。
たとえ内容が正しくても(自分では正しいと思い込んでいても)、正論が1つではないことに思い至らず、相手の立場や気持ちを考えず、意見交換もせず、一方的に相手を否定したり、自分よりの勝手な理屈で押し切ったりすることで、相手を精神的に傷つけ、職場の雰囲気を悪化させることがあります。
もし、それが、人前で、結果的に周囲から晒し者や公開処刑のように捉えられ、見ている人に少なからず恐怖や不安を感じさせるようなものであれば、それは最早「言葉の暴力」でしかありません。
受け止め方は人それぞれですが、真面目で優しさを持つ人ほど、そのような理不尽な暴力とも言える厳しい言葉に耐えられず、パニック状態に陥ったり、心の健康を害して一旦自分をリセットせざるを得なくなってしまうことがあるようです。私自身、そうした事実を目の当たりにしています。
複雑に入り組んだ現代社会の中で、私たちは、仕事や学校での評価・友人や家族との会話・インターネット上のコメントなど、様々な状況で厳しい言葉に直面しています。そこで、傷ついたり、 落ち込んだり、怒りを感じたり、といった負の感情が生じ、拒否や逃避など人それぞれに反応する筈です。
傷つきやすい心を守るためには、リフレーミング(視点や受け止め方を変える)することも、全てを鵜呑みにしない(相手の感情や背景から出ている言葉の可能性もある)ことも、相手の真意を見極めることも、大切でしょう。
そして、受けた厳しい言葉について、真意を見極め
て自身も考えるべきところは相手の意見として真摯に受け止め、全てを自身の非とする必要は全くありません。
一時的にその状況や相手と距離を置く。誰かに気持ちを打ち明ける。何かしらの気分転換をする。自分にとってや道理の問題として相手の言葉がどういうことなのかをハッキリ伝える。こうした対応も是非取りたいところです。
忘れてならないのは、「正論は1つではない」 ということ、一方的に厳しい言葉をぶつけてくる相手が何もかも正しい訳では決してない、それどころか「(一方的にそれしかないと思い込んでいる)正論は、時に無理解となる」 ことで、相手の全ての言葉を是として過敏に反応する必要は一切ありません。
ただ、間違えてはならないのは、ここまでお伝えしたことは、あくまで先に厳しい言葉で傷つき思い込まれた人に向けてのもので、自身が厳しい言葉で人を傷つけ追い込んだことに対しての反論として自身のしたことがブーメランとなって返ってきたことを受け止め切れず「厳しく言われてショックを受けた」と被害者ぶるのは心得違いも甚だしいということです。
「暴力を振るわれた」が免罪符ではないように、「厳しい言葉にショックを受けた」で自分が一方的に厳しい言葉で人を傷つけ追い込んだ事実は帳消しになりませんし、その大きな罪が許されるものではありません。
「今、あなたは、以前〇〇さんをパニック状態にさせた時と同じことをやっている」「あなたの言葉が原因で、相手が病気になったり仕事ができなくなった場合、それは、あなたが会社に損害を与えているということ」と言われても、それを真摯に受け止め、自分の行き過ぎた言動を反省しなければならないのです。
この期に及んでの「ショックを受けた」「強く言われるのが怖い」という言い分は、あまりに勝手で、甘えと言われても仕方のないところでしょう。
「厳しい言葉」を言われたら、一方的にぶつけられた側にも相手の言い分に耳を傾けて自分が反省するところはすべきですし、自身の言動で人を傷つけ追い込んだことに対して受けた言葉であれば真摯に受け止めて自分の行き過ぎた言動を反省しなければならない。
どちらにも、自分の甘えと向き合い、「厳しい言葉」をただ問題にするのではなく、双方がどうあるべきかを複数の正論を立てて探り合う必要があるということだと私は思います。
ご静読ありがとうございました。

家庭や職場で家族や同僚にキツい言葉をかけてしまうことはないでしょうか?ここで問題なのは、自らが正しいと思い込んで論理的に道理を説いているつもりで実は一方的な自論を感情的にぶつけているだけ、というケースが散見されることです。俗に言うロジカルハラスメント(ロジハラ:正論を振りかざして相手を論理的に追い詰めてしまう言動)ですね。複雑に入り組んだ現代社会の中で、私たちは、仕事や学校での評価・友人や家族との会話・インターネット上のコメントなど、様々な状況で厳しい言葉に直面しています。そこで、傷ついたり、 落ち込んだり、怒りを感じたり、といった負の感情が生じ、拒否や逃避など人それぞれに反応する筈です。「厳しい言葉」を言われたら、一方的にぶつけられた側にも相手の言い分に耳を傾けて自分が反省するところはすべきですし、自身の言動で人を傷つけ追い込んだことに対して受けた言葉であれば真摯に受け止めて自分の行き過ぎた言動を反省しなければならない。どちらにも、自分の甘えと向き合い、「厳しい言葉」をただ問題にするのではなく、双方がどうあるべきかを複数の正論を立てて探り合う必要があるということだと私は思います。
投稿者プロフィール
- くれたけ心理相談室(大阪支部)心理カウンセラー
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カウンセリングを通じて、「困っていた問題」 が 「新たな気づきや成長へのきっかけ」となることを心から願っています。
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