ロジカルハラスメント~時に正論は無理解な暴力~
くれたけ心理相談室大阪支部 心理カウンセラーの宇野謙一です。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
家庭や職場で家族や同僚にキツい態度をとってしまうことはないでしょうか?
ここで問題なのは、自らが正しいと思い込んで論理的に道理を説いているつもりで実は一方的な自論を感情的にぶつけているだけ、というケースが散見されることで、これが、俗に言うロジカルハラスメント(ロジハラ:正論を振りかざして相手を論理的に追い詰めてしまう言動)ですね。
たとえ内容が正しくても(自分では正しいと思い込んでいても)、正論が1つではないことに思い至らず、相手の立場や気持ちを考えず、意見交換もせず、一方的に相手を否定したり、自分よりの勝手な理屈で押し切ったりすることで、相手を精神的に傷つけ、職場の雰囲気を悪化させることがあります。
もし、それが、人前で、結果的に周囲から晒し者や公開処刑のように捉えられ、見ている人に少なからず恐怖や不安を感じさせるようなものであれば、それは最早「ただの暴力」です。
ロジカルハラスメントは、一方的に自身の意見を押し付けて論破しようとすることで、相手に嫌な思いをさせてしまうハラスメントと定義されています。
度々それを受けた経験上、相手の状況を踏まえていない話の進め方と感情面への配慮の欠如が原因とされていることも否定しませんし、加害者の特徴として、①相手より優位に立ちたい欲が強い(自分が相手よりも優位に立ちたいという欲やプライドが高く、虚栄心を満たすために自分の中の「正論」を振りかざす)、②自分の意見が正論だと思い込んでいる(自分が正しいと思い込み、他人の意見を受け入れる考えがない。思い込みによる自己主張が強く相手の意見に耳を貸さないため、建設的な話し合いにならない、③相手の気持ちを理解できない( 一方的に話して相手を追い詰める一方で、相手の気持ちを理解できない。仮に言っていることが正しくても相手への配慮が足りず、現実はその通りにいかないことに気付かない)が挙げられていることにも異論はありません。
ここでの最大の問題は、②自分の意見が正論だと思い込んでいる、だと私は考えています。
正論は1つではなく、正義の定義は立ち位置によって変化します。
自分の意見を述べる場合に、相手の状況を踏まえて話をすると同時に感情への配慮を怠らないのは当たり前で、自分1人の論理による他者否定や決めつけは言語道断!
このことを理解していないと、如何なる正論も「無理解な言葉の暴力」となってしまいます。
間違えてはならないのは、如何に自分が正論だと信じて(と言うより決めつけて)いることでも、他にも正論があることを認めず、相手を非難したりしているようでは、建設的な話し合いはできず、「無理を通せば道理が引っ込む」ことは避けられないということです。
誰もが、「自分は絶対に正しい」と思い込むような甘えを徹底的に排除し、そうならない限り「正論は時に無理解な暴力となりかねない」ことを自覚して人と接することが大切だと私は思います。
自分にも他人にもハラスメントが及ばないように。
ご清読ありがとうございました。

家庭や職場で家族や同僚にキツい態度をとってしまうことはないでしょうか?ここで問題なのは、自らが正しいと思い込んで論理的に道理を説いているつもりで実は一方的な自論を感情的にぶつけているだけ、というケースが散見されることで、これが、俗に言うロジカルハラスメント(ロジハラ:正論を振りかざして相手を論理的に追い詰めてしまう言動)ですね。ロジカルハラスメントは、一方的に自身の意見を押し付けて論破しようとすることで、相手に嫌な思いをさせてしまうハラスメントと定義されています。誰もが、「自分は絶対に正しい」と思い込むような甘えを徹底的に排除し、そうならない限り「正論は時に無理解な暴力となりかねない」ことを自覚して人と接することが大切だと私は思います。自分にも他人にもハラスメントが及ばないように。
投稿者プロフィール
- くれたけ心理相談室(大阪支部)心理カウンセラー
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くれたけ心理相談室(大阪支部)は、大阪府大阪市・八尾市を拠点に心理カウンセリングを承っております。エリア外の皆様にも、Zoomや電話等によるカウンセリングにて対応させていただいております。
カウンセリングを通じて、「困っていた問題」 が 「新たな気づきや成長へのきっかけ」となることを心から願っています。
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