数≠正義~それでも地球は動く~
くれたけ心理相談室大阪支部 心理カウンセラーの宇野謙一です。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
【同級生の間違いを指摘するも「多数決で負けね」 担任の一言に絶句…「義務教育の敗北」とネット騒然】
今日、こんなタイトルのネット記事を読みました。
小学生だった頃、ザリガニの種類をめぐり科学的な事実を訴えたものの、同級生全員の反対意見に遭い、挙句に、担任が出てきて「君は生き物詳しいけど今回は多数決で負けね」。
ダイバーシティの現代では考えられないナンセンスな話です。
「無理が通れば道理引っ込む(無理が権力を背景にして通用すれば、正論は通らなくなる)」
「数こそ正義」
もってのほかです。
そして、そうした中で、自分が正しいと思うことを主張し、貫き通すのは大変なことです。
「太陽を中心に地球や他の惑星が公転している」という地動説を支持したガリレオ=ガリレイも、異端と見なされ、二度宗教裁判にかけられ、有罪となり、考えを改める(捨てる)ことを強要されたといいます。
「それでも地球は動く」と言った、その時の言葉は、今では創作だとされる説が強いようですが、それでも、「誰が何と言おうと、自分以外の誰もが違うと言おうと、真実は一つ。正しいものは正しい」ことを聞く者に訴えかける、正論中の正論ではないでしょうか。
肝心なのは、賛同の多寡ではなく、根拠や裏付けに基づく正当性の有無ですから。
理非を弁じずに、「みんなそうだから」「そういう業界だから」「そういう方針だから」と、正しい意見が通らず、誤った言動が見過ごされていることは驚くほどよくあります。そんな理不尽な経験は私にもあります。
特に、何事によらず、経験豊富な方の話の中には、「これは、こういうものだ」「ここは、普通こうだ」などという「経験値に基づく決めつけ」が多く、そのために生じている判断ミスに気づかず、僅かな可能性や耳を傾けるべき意見を否定し、経験を積んでいるという心の驕りから、経験値、即ち経験の数を正義であり、絶対であるとして、自分と異なる価値観や意見を認めないばかりか平然と傷つけているところが少なからずあると、私は経験上感じています。
今後、クライエントとして出会う方の中には、「無理が通れば道理引っ込む」状況の中で、正しい筈の自身を否定され、傷つき、生きづらさを感じてカウンセリングに来た。という方も出てくることでしょう。
そのような方に向き合う時、私自身、経験値や(当たり前ですが)価値観によらず、根拠や裏付けに基づく正当性の有無をもって、共に考えるカウンセラーでありたいと思います。
自分自身も同じ苦しみを味わってきただけに、経験値を権力代わりに他者を否定し、「それでも地球は動く」と絶対に言わせない。最低限、それだけの覚悟は持って臨みたいと思っています。
数は正義でなく、根拠や裏付けに基づく正しい主張こそ正義。
時には、親より子が、教師より生徒が、カウンセラーよりクライエントが、多数派より少数派が、正しいことは当然あります。
そのことを認め、真摯に人と向き合える人間でいなければならない。といつも自戒しています。
お楽しみ様でした。

数が多いのが正義ではなく、根拠や裏付けに基づく正しい主張こそ正義。経験豊富な方の話の中には、「経験値に基づく決めつけ」が多く、そのために生じている判断ミスに気づかず、僅かな可能性や耳を傾けるべき意見を否定し、経験を積んでいるという心の驕りから、自分と異なる価値観や意見を認めないばかりか平然と傷つけているところが少なからずあると、私は経験上感じています。
投稿者プロフィール

- くれたけ心理相談室(大阪支部)心理カウンセラー
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カウンセリングを通じて、「困っていた問題」 が 「新たな気づきや成長へのきっかけ」となることを心から願っています。
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