必聴寄り添い人~かけた保険が功奏す~

くれたけ心理相談室大阪支部 心理カウンセラーの宇野謙一です。
ご訪問いただき、ありがとうございます。

「探偵!ナイトスクープ」から「孤独のグルメ」へというのが最近の金曜深夜の過ごし方。

「孤独のグルメ」のこんなエピソードが心に残ったので振り返ってみます。

新しい事務所用のデスクの件で顧客の女性とカフェで商談中の井之頭五郎。

彼女の要望はシンプルなタイプ(「コンセント付きの優先順位は低い」とハッキリ述べています)のようで、それに沿って話を進め、提案したものがイメージ通りだと喜ばれます。

しかし、これも納期に間に合うからと彼女の要望になかった天板にコンセントがついているタイプのカタログも念のため見せた途端、何故か彼女の表情がくもるのです。

そして、「あなたのデスクには天板にコンセントついてますか?」と聞かれます。

「ついてますね」と答えると、「ついてるんだ…」と何やら思うところがある様子。

「え?何か地雷踏んじゃった?」
五郎の心の声、

私にも、この時点でここまでの話の何が問題だったのか咄嗟に想像はつきませんでした。

話の流れの中で、彼が顧客の要望をしっかりと聴いて、それに沿った提案を行っていることがよく分かったからです。
事実、彼女からも「イメージ通りです。井之頭さんにお願いしてよかったです」と言われています。
それが、あくまでも念のためにと別の商品を見せたことで、何がどうしたと言うのでしょうか?

「何か気になることがありましたでしょうか?」
五郎でなくても、たとえば私が同じ状況でもそう聞きたいところ。

彼女は「これ(天板にコンセントのないデスク)は希望通りなんですが、コンセントがついている人からコンセントがついていないものを買うのが引っかかる」と渋い顔。

ああ、なるほど。
そういう風に考えちゃうんだ。
考え方・感じ方は人はそれぞれと言えど、自分にはない発想でした。

彼女は、更にこう言います。
「例えば、あなたがディーラーでセダンを買ったとして、その営業マンがプライベートでスポーツタイプに乗っているのを見たらどう思いますか?」

「別になんとも」と答える五郎。
個人的には五郎に一票。
その営業マンがプライベートでスポーツカーばかりかどんな車を乗り回そうが、本人の事情。
好みばかりでなく、家族のこととかいろいろ考えてその車にしているかもしれない。
ディーラーにセダンを買いに来た側には無関係な話。
セダンが欲しいという希望に沿って話を進めてくれればいいだけのこと。
間違っても、「セダンよりこの車の方がいいですよ」なんて押しつけはいらない、
中にはそんな営業マンもいるんでしょうな。

「些細な違和感ですが、何か裏切られたような気がして」と返す彼女。

そこへ話が聞こえてきて気になったからと割って入ってくる女性店員。

「その営業マンはスポーツカーが好きだけど、お客さんはセダンが好き。要は、自分の好みを押しつけるのでなく、お客様の気持ちに寄り添うのが営業マンではないでしょうか」

肝心なのはそこなんですよ。
「6つの気づき」でも「自分が正しい(いい)と思う方向に無理に相手を引き込まないこと」と言われています。

女性店員の言葉で彼女は納得し、最初に勧めたコンセントのないデスクを発注。

商談中に「ご一緒にケーキはいかがですか?」と勧めてきたその女性店員、実はスイーツが苦手で、「これって裏切りになります?」と気にしてましたが、そんなことはないでしょう、

ケーキを置いているカフェに勤めていて、自分がスイーツ苦手だからと客に勧めない(営業活動をしない)のは職務怠慢のような…。

私も、マヨネーズが大嫌いで、家の冷蔵庫に入っているなど有り得ず、いわゆる「マヨラー」は理解に苦しみますが、それはあくまでも個人的な話の範疇にとどめております。

何はともあれ、商談は無事成立。
念のための保険として要望にない提案までしたことと、本来自分が言うべきことを若い女性店員に言われたことを反省していましたが、営業マンとして、顧客の要望に沿わねばならないことと、強い態度(言うべきこと・言いたいことを言う)に出られないことを考えると、第三者目線からは、よくやっていたように見えました。

その後、いつもの如く食事(今回はイタリアン)を堪能し、店を出たところでさっきの顧客から電話。デスクをコンセント付きに変更したいとのこと。
「事務の子たちに聞いたらそっちの方がいいと言うので寄り添うことにした」そう。

五郎は、「保険が功を奏すとは…」なんて言ってましたが。
結局、カウンセラーはもちろん、営業マンも経営者も
「必聴寄り添い人」でないといけないということなんですね。

今回の話、思うところはいろいろあります。
デスクにせよ、車にせよ、用途、使用環境、何より一人一人好みが違います。
自分がコンセント付きのデスクやスポーツカーが好みだからといって、客の要望お構いなしにぐいぐい勧められたらたまったもんじゃない。
一応こんなのもありますがと情報を与える分にはいいですが、決めるのはあくまで顧客。
今回のデスクの件は、情報を与えて選択肢を増やしたまでで、裏切りでも何でもない。
カフェの女性店員が言うように、「お客様の気持ちに寄り添った」のですね。

ツッコミどころとしてひっかったのが、顧客の言葉を聞く限り、後で希望通りに変更したとは言え、最初の発注の時点で、この経営者、事務の子たちの意見を聞いていなかったのかと…。
ドラマではいい話のようにまとめていますが、

こんな風に、どこにでも学びのタネはあるものです。
今回は、「6つの気づき」の外的行動②「他人の意見や行動を批判したり、自分の考えを押しつけたりしない」と③「自分の考えや気持ちは正確に伝える」に縁の深い話でしたね。

お楽しみ様でした。

営業マンの好みだからといって、客の要望お構いなしにぐいぐい勧められたらたまったもんじゃない。一応こんなのもありますがと情報を与える分にはいいですが、決めるのはあくまで顧客。情報を与えて選択肢を増やしたまでで、裏切りでも何でもない。「お客様の気持ちに寄り添う」ってそういうことなのですね。カウンセラーにも参考になります。

投稿者プロフィール

宇野謙一カウンセラー
宇野 謙一くれたけ心理相談室(大阪支部)心理カウンセラー
くれたけ心理相談室(大阪支部)は、大阪府大阪市・八尾市を拠点に心理カウンセリングを承っております。エリア外の皆様にも、Zoomや電話等によるカウンセリングにて対応させていただいております。

カウンセリングを通じて、「困っていた問題」 が 「新たな気づきや成長へのきっかけ」となることを心から願っています。

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